ガソリンスタンドが減っている

ちょっと前の話になるが、2011年2月に消防法が改正されガソリンスタンド等の地下タンクに関する規制が強化された。
規制の内容は
・40年以上前に埋められた燃料用地下タンクの改修を義務づけ
・猶予期間は施行後2年間、2013年2月まで
というもの。
このためか全国各地でガソリンスタンドの廃業や休業が増えている。
すでに猶予期限は過ぎているが、現時点では設置から40年経過していないタンクも今後はいずれ改修が必要となる40年を経過するようになるので、一基当り100万円ほどもかかるという改修費用を負担できないスタンドは廃業に追い込まれることが考えられる。

全国のガソリンスタンドはピーク時の平成6年度末には60,421軒あったが、昨年度(平成25年度)末には34,706軒と4割以上も減少している。
特に一昨年度末と昨年度末は前年度からの減少数がそれぞれ1,394軒・1,643軒とそれ以前よりも増えていて、これは規制強化の影響と考えられる。
地域別に見ると大都市圏での減少が激しく、ピーク時と昨年度末を比較した場合、東京は2,894->1,275で56%減、名古屋を抱えかつては全国で一番多かった愛知県は3,146->1,618で48%減、大阪府は2,333->1,089で53%減と半減している。
私の住む北海道はピーク時の3,050軒から1,944軒へ36%減少しているが、現在は愛知県を上回り全国一となっている。
大都市圏に比べると減少率が低いが、これは土地が広く札幌市等の都市圏以外ではスタンドが分散しているのも原因の一つと考えられる。
それでも地方部では元々ガソリンスタンドが無かったり、あっても1~2軒程度で元々減る余地が少なかったにもかかわらずその中で廃業に追い込まれたスタンドもあるだろう。
そうなると地域によっては最寄のスタンドまで数10Kmも離れていたりするところもある。
実際何年か前に糠平源泉郷でお昼を食べていると、バイク2台でツーリングをしてきた人がお店の人にガソリンスタンドの場所を尋ねているのが聞こえてきたが、実はここにはガソリンスタンドは無く、上士幌の市街地まで行かなければならない。
さらに山奥の三股にいたっては市街地まで40Km以上もあるので、往復で80Km以上も走らないとガソリンを入れに行くことが出来ない。
実際には灯油等と一緒に定期的に配達に来てくれるらしいが、それでも急ぎの時などは大変だ。

実はこういうところこそ電気自動車(EV)がある程度有効なのではないだろうか。
人が住んでいるところには大抵電気は来ているので、充電施設さえ用意できれば燃料切れの心配は無くなる。
こういうときには電線さえあれば済む電気は物理的に物質(ガソリンや天然ガス等)を運ばなくて良いので有利。
充電施設は設置するのにガソリンスタンドやFCV用の水素スタンドに比べて遥かに少ない費用で設置でき、個人宅でも200Vの線の引き込みと充電専用のコンセントの設置だけなら十万円単位で工事が出来る。
急速充電器はまだまだ高価だけど、それでも一箇所建設するのに数億円も必要とされる水素スタンドに比べれば桁違いに安価だ。
現在のEVは航続距離が短いので長距離走行には向かないが、それも今後の技術改良である程度は克服できるものと思っている。
少なくとも地域内とか近距離の移動が多い場合はEVも選択肢の一つとして大いに検討すべきものだと思う。

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2 comments to this article

  1. 千歳

    on 2014 年 9 月 29 日 at 3:12 PM -

    いやー、減ってますね!
    レンタカー屋になっていたり、野ざらしだったり。

    バイクはタンクが小さいので航続距離に難があって、必死に地図に載ってるスタンドに行くと廃業済…。本当に困ります。

    あと、都心はセルフが多くて、フル派の私には、追い打ちです(>_<)

  2. tan

    on 2014 年 9 月 29 日 at 4:20 PM -

    >千歳さん
     私も実数を調べてびっくりしました。
     私の生活圏内ではそれほど減ってはいないので、まさかこれほど減っているとは思いませんでした。
     >フル派の私
     慣れればセルフでも不便では無いですよ。

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