SNSの投稿で「宇宙では慣性の法則は成り立つのだろうか?」という書き込みがあった。
質問者は文系で高校時代に物理学を履修しなかったのだろう。
答えはもちろん”成り立つ”(ただしブラックホールの事象の地平面の内部のようなところは除く)なのだけど、回答の中には最後に「重力は無くても質量はあるので」と書いているのがあった。
うーん、惜しい!
元々は地球周回軌道上を想定しての質問だったので、重力が無いということは無いので回答としては不適当。
地上で重さ(重量)を感じるのは、私たちの身体に重力が作用して地球の中心に落ちようとするのを地面や床が阻んでいるためで、遊園地のアトラクション(フリーフォール)等で自由落下状態になった場合は浮いている感じはあるが重力は作用している。
もちろん地球周回軌道上でも同じことで、重力が無くなっているわけでは無く周囲の物全てに等しく働いていて差がないから重さ(この場合は重量)を感じないだけ。
なので、よく言われる”無重力”というのは実は”無重量”ということ。
先の回答には”質量”とも書かれているが、その部分は正しいので、「重量は無いけど質量はあるので」と書くべきだった。
”重量”と”質量”の違いに関して、子供の頃に読んだ解説で判りやすいなと思ったのは、
・バネ秤(はかり)で計ったのが”重量”
・天秤秤で計ったのが”質量”
というもの。
バネ秤は対象物が重力で落ちようとするのをバネで支え、その時のバネの伸び(もしくは縮み)で重さ(重量)を測るもので、重力が変動すると測定値も変わってしまう。
それに対して天秤秤は左右の質量が等しい場合にバランスが取れ水平になり、その時の分銅の質量が対象物の重さ(質量)であるので、重力が変動しても分銅にも同じだけの重力が作用するため測定値に変化はない。
初歩的な物理学を習っていればこのことは頭に入っている筈なので、先の回答者も習っていないのかな?
先のSNSでは訂正をしたかったけど、質問の上がっていたグループに参加しておらず書き込みが出来ないんだよね(汗)。