トヨタの「EASS」

今でこそ停車中の自動車のアイドリングを停止する所謂「アイドリングストップ」システムが普及しているけど、昔は一部のバスで採用されるにとどまっていた。
そんなシステムが1973年のオイルショック前後にはトヨタのクラウンにオプション装備として設定されていたことはあまり知られていないと思う。
設定されていたのは4代目クラウン(くじらクラウン)で「エンジンオートマチックストップアンドスタートシステム(EASS)」という名前だった。
装着可能だったのは東京地区限定で、しかもAT車のみだったのでそれほど普及したとは言えないと思う。
このEASSの動作条件は結構厳しく、
・停車時の斜度が2度未満(雑誌「月間自家用車」の試乗記ではブレーキを離すと転がる坂では動作しなかったとのこと)
・消費電力の大きい装置(ヘッドライト、エアコン等)を使用していないこと
などがあり、実質的に夜間や夏季は使えないのも普及しなかった原因の一つかと(装着できるのが当時普及率の低かったAT車限定というのも原因だろう)。
現在の車のアイドリングストップはエンジンが暖まってしまえばあまり制限無く動作することを考えると、当時のシステムはまだまだ実用的では無かったのだろうが、市販車にあまり先進的な装備を付けないトヨタがやったのは面白い。
燃料を節約すると同時に大気汚染対策としても有効と思える装備だったが、周辺技術(バッテリーやセルモーター等)が追いついていなかったということか。
だとしても今から40年も前に乗用車に装備出来たというのは今思うと凄いことではないだろうか?

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