先日、南米チリの「ATLAS(Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System;小惑星地球衝突最終警報システム)」が18等級の新天体を発見した。
観測された天体は輪郭がはっきりとしたものではなく、ぼやけていることから岩石の塊では無くガスや塵を放出しているものと推定され、彗星と判断されている。
発見報告後の各地の望遠鏡による追観測で軌道の離心率が非常に大きいことが判明。
その離心率は6を超えており、過去に観測されたどんな天体よりも大きい値となっている。
これがどういうことかというと、この天体(3I/ATLAS)は太陽系外から飛来した”恒星間天体”であることを示している(なので符号に”3I:3番目の恒星間天体”が付く)。
#離心率が1を超えると双曲線軌道となり太陽に最接近後は離れる一方で2度と回帰してこない軌道となる。
現時点では太陽から6.7億キロほど離れた空間を秒速58Kmという高速で太陽に接近しつつあり、この10月末頃に近日点(約2億キロで火星軌道の内側)を通過し12/20頃に地球に最接近するとなっている。
最接近と言いつつもその距離は2.7億キロもあり、明るさも最大で13-4等級程度と予想されているので肉眼は全く見えない。
望遠鏡でも小型(口径6-10cm程度)では歯が立たず、少なくとも15cmクラス(屈折式の場合、反射式だともっと大口径)は必要となる。
それでも観測史上3番目で過去2例よりも大きい(推定で19km)とされるこのアトラス彗星を見てみたい気はするね。
札幌市天文台とかで観測会を開催してくれないかな?(汗)