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「かんむり座T」の爆発が近い?

再帰新星として最も明るくなる「かんむり座T」の80年ぶりの爆発が近い。
前回の増光は1946年の2月で、現在より78年前となり少し早い予想だけど、昨年2月に少々減光していて前回爆発時の1年前と同じ傾向を示しているらしい。
そのため今年の2月から9月の間に爆発して増光すると予想されている。
ピーク時には2等級まで明るくなると言われているので、肉眼でも明るく見える筈。
ただし、ピークは長く続かず7-8日で肉眼での観測で出来ないほど暗くなるので、そろそろ待ち構えているのが良さそうだ。

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アンドロメダ銀河の再帰新星が今年も爆発

アンドロメダ銀河で発見された再帰新星M31N 2008-12aの今年の増光が観測された。
12/2の19:50(世界時)にカナリア諸島の観測チームにより発見され、数時間後の翌日には日本の野口敏秀さんも独立発見をしている。
この再帰新星は白色矮星と恒星の連星系で起きる現象で、白色矮星が恒星からガスを剥ぎ取り表面に蓄積したガスの質量が一定量を超えると急激な核融合反応を起こして爆発する仕組みとなっている。
通常のケースでは爆発の間隔が数千年から数十万年とされているが、ガスの蓄積が早い場合は数十年単位で起きることもありそのよう場合は複数回観測されることになる。
今回爆発したM31N 2008-12aは観測されている中で爆発の間隔が最も短い星で、2008年12月26日に西山浩一さんと椛島冨士夫さんによって発見されて以来14回目の爆発となり、その間隔は平均で363日(最大で472日、最小で310日)となっている。
他のケースに比べて間隔が短いのは爆発を起こす白色矮星の質量が大きくて重力が強く恒星からのガスの供給が多いためと考えられており、試算では質量がチャンドラセカール限界(太陽質量の1.4倍)に近い太陽の1.38倍と計算されている。
爆発を起こすと蓄積したガス(主に水素から成る)の大半は吹き飛ばされるが、全てではないために質量が徐々に増加し、近い将来には質量が限界を超えてIa型の超新星になると見込まれている。
どんな星か見てみたい気もするけど、今回の爆発で明るくなったとはいえ、発見時の光度が19等級以下と非常に暗いのでよほど大きな望遠鏡でも無いと観測できないな(汗)。

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シリウスBが観測の好機

全天で最も明るい恒星(太陽を除く)であるシリウスは実は連星系で、主星のシリウスAとずっと暗い伴星のシリウスBがある。
このシリウスBは白色矮星で、明るさは8.5等と肉眼での観測は不可能。
シリウスAの周りを50.1年周期で公転していて、今年の10月には見かけ上最も離れることになる。
角度にして11.5秒角まで離れるが、明るさの差が1万倍もあるので、主星の光が邪魔して伴星の観測は難しそう。
それでも空の条件が良い時にでもカメラを出して撮って見ようかな?

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シリウス”B”が見頃?

冬の夜空でひときわ明るく白く輝くのが全天で最も明るい恒星であるおおいぬ座の”シリウス”だ。
光度はマイナス1.5等級で今の時期は南の空でオリオン座の”ベテルギウス”、こいぬ座の”プロキオン”とともに「冬の大三角形」を形成する。
このシリウスは有名な実視連星で、明るい主星であるシリウス”A”とおよそ8等級で肉眼では見えない伴星のシリウス”B”がお互いに相手の周りを公転している。
シリウスBは小学生向けの天文書にも掲載されている有名な天体で、1844年にドイツの天文学者ベッセルによって存在が予言され、18年後の1862年に存在が確認された。
有名なのはシリウスBは”白色矮星”という星で、小質量の恒星が進化した星のため。
今はこのシリウス系がお互いに最も離れて見える時期で、角度にして11秒ほど離れて見えるとのこと。
再来年の2024年頃までが見頃とのことで、この機会を逃すと次は40年以上先となるらしい(汗)。
見頃とはいえ肉眼はもちろん、小口径の望遠鏡でも観測は困難で、20cm以上の口径の望遠鏡が必要とされている。
阿南市の阿南市科学センターでは113cmの望遠鏡と一眼レフカメラ(「EOS kiss X7i」だそうな)で撮影した写真を公開している。
また「シリウスBチャレンジ」と称した観測キャンペーンを実施中とのことで、日本各地での観測結果を募集している。
詳しいことは
「シリウスBチャレンジ」
参照のこと。

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