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ベテルギウスが減光中

オリオン座の一等星ベテルギウスが暗くなってきている。
半規則型の脈動変光星であるベテルギウスはこれまでも減光と増光を繰り返しているが、2020年には1.6等級まで暗くなり2等星になったと話題になったこともある。
1年前の四月には0.2等級だったのが、今年に入って急激に暗くなり、この二ヶ月で0.3等級も下がって現在は0.7等級となっている。
原因に関してはいろいろと取り沙汰されていて、この減光は周期的な減光の一つとする向きもあり、そうだとするとピークは3/1頃とされ今後は増光に転じるとされている。
恒星としての寿命が終わりに近づいている(とはいえまだ数千万年は輝く)と言われているベテルギウスは今後もこれまでとは違った現象を見せてくれるかも?

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”冬の大三角形”

子供が昨夜「冬の大三角形が見たい」というようなことを言って来た。
どうやら学校で習って来たらしいが、昨夜は生憎の天候(吹雪)でとても星空が見えるような状況では無かった。
その雪も今日の昼過ぎにはやみ、その後は晴れて陽射しも出て来たので、今夜は観測に良い機会かもしれない。
言うまでもなく”冬の大三角形”とはオリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンという3つの一等星を頂点とするほぼ正三角形のこと。
どの星も明るい(シリウスは夜空に見える恒星の中で最も明るい)し、ベテルギウスは特徴ある形をしているオリオン座の右肩(向かって左上)にあって見つけやすいから、今夜は子供と外で星空を見上げてみようかな?

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「ベテルギウス食」が観測された

オリオン座の肩の位置にある恒星「ベテルギウス」が小惑星によって掩蔽される史上初の「ベテルギウス食」が12/12に起こると予報され、北中米からヨーロッパにかけての観測帯で多数の観測が行われた。
天候の関係でトルコやフロリダの地点での観測は出来なかったものの、スペインやイタリア等では観測できたとのこと。
その際は「ベテルギウス」の”点滅”ではなく”減光”が観測され、このことからこの食は皆既食ではなく金環食で、前を通った小惑星「Leona(391)」の視直径が「ベテルギウス」のそれよりも小さかったと考えられる。
残念ながら食帯は日本を通っていなかったので国内での観測は不可能だったけど、観れるものなら観たかったな。

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ベテルギウスの変光が止まった?

オリオン座の一等星ベテルギウス(向かって左の肩の星)が2020年の2月に1.6等級まで暗くなり話題になった。
もともと400日周期で0.0等級から1.3等級の間で変光する変光星ではあるが、ここまで暗くなるのは珍しく当時は超新星爆発の前触れではないか?なんていう話も出ていたほど。
後にこの大減光は大量の塵を放出し、その塵で本体の光が遮られたのではないかという説が出ている。
その後は200日周期で変光をくりかえしつつ明るくなってきており、一時は0.2等級まで明るくなったものの、観測不能な期間(6-8月)以降は0.5等級ほどで安定しているとのこと。
これが何を意味しているのか、またその理由は何かは判っていないので、今後の光度変化に注目かな。
今朝5過ぎにオリオン座を観た時は0.2等級のリゲルに比べて結構暗かったように見えたな。

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気象衛星で天体を観測?

2019年の10月頃から2020年の初めにかけてオリオン座のα星である「ベテルギウス」が暗くなり、一時は二等星に”格下げ”になったことがある。
この”大減光”の原因はその後の観測と研究で表面温度の低下が原因の半分と判明し、残りの半分は放出された塵によるものと推測されたが、思わぬ方法で裏付けとなるデータが取得された。
その”思わぬ方法”とは、本来気象観測用に打ち上げられ実際に運用されている気象観測衛星「ひまわり8号」を利用するというもの。
具体的には地球の半球を10分毎に撮影している画像に写り込んだ「ベテルギウス」の明るさを測定したもの。
研究者チームは4年半分に当たる20万枚以上の画像を調べたところ1,000枚ほどに「ベテルギウス」が写り込んでいたとのこと。
「ひまわり8号」では地上や衛星軌道上の天体望遠鏡では継続的に取得することが難しい波長(中間赤外線:周辺に放出された低温の塵が放射する波長10μm周辺)のデータが取得できた。
撮影されたデータを解析したところ、大減光時にはこの波長の光が多く捉えられており塵が増えていることが裏付けられたとのことだ。
”普通の”天文学者では思いつかない「気象衛星を天体望遠鏡として利用する」というアイデアが凄いし、そのアイデアを活かして研究成果を出してしまったことも素晴らしいと思う。
今後もこのような斬新なアイデアが生まれて活かされると素晴らしいね!

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ベテルギウスの形が変わっている

オリオン座のα星であるベテルギウスが昨年の終わりころから暗くなり、現在では1.6等星ほどの明るさになっているという。
もともとベテルギウスは脈動変光星で明るさが変わる星だが、今回の減光はここ数十年では最も大きく、およそ100年ぶりの暗さになっているとも言われている。
また最近になって星自体の形も変わっているという報道もあり、実際に撮影された画像を見ると昨年の頭に撮影された画像に比べて明らかに変形しているように見える。
巷では”超新星爆発の兆候ではないか?”と囁かれているが、天文学者はそうは見ていないそうだ。
ちょうど今はオリオン座を見やすい時期なので、晴れた夜には南の空を見上げてみるのも良いかもしれないな。

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「ベテルギウス」の直径が40年前の2~3倍に?

北見工大等が参加しているチームが赤色超巨星「ベテルギウス」(オリオン座の左上の赤い星)の直径が1970-80年代に観測された時の2倍から3倍程度に膨張しているらしいという観測結果を発表した。
赤色超巨星であるベテルギウス(直径が7億キロ前後で木星の公転半径に近い)はいつ超新星爆発を起こしても不思議では無いと言われているが、今回の観測結果はそれを裏付けるものでも無く、膨張した(と見えた)原因も今のところ不明とのこと。
今回の観測では特定の波長(ほぼ緑色の領域)で膨張して見えたということで、この波長域では酸化チタンが放出するスペクトルが観測できるので、恒星内部で生成された酸化チタンが外部に向かって放出されているのでは無いだろうかと思われる。
酸化チタンのもとになるチタン(原子番号22)が精製されるのは恒星の一生の中でも後期でしかも生成されるのは中心部近くなので、それが表面で観測されたということはベテルギウスがその一生を終えるのも遠くないということか。

もし超新星爆発を起こせばその姿は地球からも良く見えることになるが、一時期懸念されていた「ガンマ線バースト(超新星爆発時に一時的に大量に放出されるガンマ線)」による地球への影響(生命の滅亡等)はあまり心配しなくても良さそう。
というのは超新星爆発時のガンマ線バーストが放出されるのは恒星の自転軸から2度の範囲内であることが理論上判っており(ただし実証例等の根拠は希薄だが)、ベテルギウスの自転軸はハッブル望遠鏡の観測で太陽系方向から20度ほど離れていることが判っているため。

1054年に観測された超新星SN1054(かに星雲の中心部にあるパルサーが誕生した時の超新星で爆発時の光度は-6等と推定されている)に比べると太陽系からの距離がおよそ1/10以下の約640光年と近いので、もし爆発時の光度が同程度だとすると、地球では100倍以上の明るさに見えることになり、その等級は-11等級で半月よりも明るく、爆発直後の数日間は昼間でも見えることが予想される。
もし爆発が夏に起これば昼間に見えることになり、冬に起きれば夜が多少明るくなるかもしれないな。
こんな太陽系の近所で起こる超新星爆発は滅多に無い(銀河系内では100年から200年に一回、観測できる宇宙全体では30秒に一回と言われている)ので、出来ることなら見てみたい気もするけど、私が生きている内に見ることが出来るだろうか?

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