「札幌温泉電気軌道」

私の住む札幌には現在でも路面電車が運行していて、「西4丁目」-「すすきの」間を片道約42分で結んでいる(最短距離となる地下街を歩けば10分ほどの道程なのだが)。
過去には沢山の路線があったが、地下鉄の開通等に伴い路線は縮小され現在に至っている(ただし西4丁目とすすきの間の駅前通りにも線路を敷いてループ化することが決定している)。

昔の札幌には現在の電車とは別にいくつかの路線が存在し、その中に「札幌温泉電気軌道」という路線(会社)もあった。
「え?札幌温泉?」
と興味を引かれ路線図を見ると、札幌市電一条線の「円山三丁目」電停付近(大通西23丁目)から南下し、南7条で西に向かって曲がる等して界川(さかいがわ、当時の住所は「札幌郡藻岩村大字円山村」)にあった「札幌温泉」までを結ぶ総延長2Km足らずのミニ鉄道だったらしい。
調べてみると「札幌温泉」というのは源泉を30Km以上離れた定山渓に求め、なんと配管で湯を引いて湯船に注ぐことで営業していたとのことで、そこへの集客のために造られたのが「札幌温泉電気軌道」というわけらしい。
残念ながら鉄道のほうは変電所の焼失や電気料金の未納等で運行できなくなり、開業4年後の昭和8年には路線休止となり、昭和12年には軌道法による特許を取り消され廃止となっている。
温泉自体は配管のトラブル等や電車の休止で数年で営業を終えたとのこと。

温泉施設付近の道路や実際に路線となっていた道路を通ることが多いのだけど、今ではそんな施設や路線の名残は見当たらず、全くその存在を知ることは無かったなぁ。

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