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天王星と海王星に新たな衛星が見つかった

カーネギー研究所のスコット・S・シェパード氏などの観測チームがこの度、天王星の新衛星「S/2023 U 1」と、海王星の新衛星「S/2002 N 5」および「S/2021 N 1」を発見したことを公表した。
天王星の衛星が発見されるのは2003年10月以来でおよそ20年ぶり、海王星の衛星は2013年7月のHippocamp以来およそ10年ぶり。
これで天王星の衛星は合計28個、海王星の衛星は合計16個となった。
直径は「S/2023 U 1」が8Kmほどと推定され、既知の天王星の衛星の中では最小と見られている。
また「S/2002 N 5」は直径23Km、「S/2021 N 1」は14Kmほどとされ、「S/2021 N 1」は海王星からの平均距離は約5060万km、最も近づく時(近海点?)は約2830万km、最も遠ざかる時(遠海点?)は約7290万kmという楕円軌道を描き、公転周期は約27.43年で「惑星から最も離れた軌道を周回する衛星」「最も公転周期の長い衛星」という2つの記録を更新した。
#7290万kmという距離は水星の遠日点距離(6,980万km)よりも離れているので、惑星と衛星というよりも恒星と惑星の関係に近い。

それにしても地球から何十億キロも離れたところにある10-30Kmの物体を発見できるなんて凄いねぇ・・・なにせ視等級が25~27等級という暗さに加え、近くには主星となる明るい惑星(6-8等級)があって、その明るさに隠されてしまうからねぇ(20等級違うと明るさは1億倍違う)。
それを可能にする観測方法(短時間(5分程度)露光を多数繰り返す)を考案し、さらに何年もかけて動きを観測した結果の発見ということだそうな。

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板垣公一さんが今年初の超新星発見

山形県の超新星ハンター板垣公一さんが1/4(世界標準時、日本時間では1/5)におとめ座銀河団の銀河”NGC 4216”で16.3等級の新天体を発見。
発見報告で2024gyと符号が付けられ、後の分光観測でIa型超新星と確認された。
板垣さんの超新星発見は12/9以来で今年初、通算では177個目となる。

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板垣さんが続け様に超新星を発見

山形県の板垣 公一さんが先日に続いて昨夜(UTC 2023-10-31 19:04:49.000、JST 2023-11-01 04:04:49.000)超新星を発見した。
今度はりゅう座の銀河NGC4346で発見時の等級は16.0等級。
2023wcと名付けられ、Ⅱ型超新星とのこと。
板垣さんの超新星発見は今年4個目で通算174個目。

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板垣さんが今度は超新星を発見

山形在住で先日新星を発見した板垣公一さんが今度は超新星「2023ixf」を発見した。
発見したのはおおぐま座の尻尾付近にある「M101」(回転花火銀河)で、発見時の等級は14.9等級、今年に入ってからの発見は2個目で通算172個目。
発見報告の40分後には分光観測が行われ、大質量星が重力崩壊を起こしたII型超新星と思われるとのこと。
板垣さんの発見時(5/19)は増光中で日本時間の一昨日深夜から昨日未明辺りにピークの12等級程度まで明るくなったものと思われるそうだ。
今夜でも13等級前後はありそうなので、小口径望遠鏡でも観測可能かも?

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木星が王座奪還!

太陽系最大の惑星である木星がおよそ4年ぶりに王座を奪還した。
なんの”王座”かというと、「衛星数」。
2022年末までは土星が4年余りにわたって最多の83個もの衛星を従えているとされていたが、すばる望遠鏡のハイパーシュープリームカム等を使った観測で木星に新たに12個の衛星が発見及び認定されたために木星の衛星数がトップの92個となった。
今回発見された12個全てが直径3Km以下の小さいもの。
発見自体は2021年9月にはすばる望遠鏡で、さらに2022年8月にはチリのセロ・トロロ汎米天文台のブランコ望遠鏡で行われており、その後のチリ・ラスカンパナス天文台のマゼラン望遠鏡による追観測で軌道が確定し今回の認定につながった。

それにしても地上の望遠鏡での観測で数億キロ先の3Km未満の小天体を発見して軌道の確定も出来ちゃう時代なんだなぁ・・・凄い!

今回王座を追われた土星もまだまだ王座に返り咲く機会はあるだろうから、虎視眈々と狙っているのかも?(笑)

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「電子捕獲型超新星」が見つかった

理論的に存在が予測されていながら40年の間ひとつも見つからなかった「電子捕獲型超新星」がこのほど発見された。
”超新星”は一定以上の質量の恒星が終末を迎える際に起こす爆発で大量のエネルギーを放出して明るく輝く現象。
この爆発のきっかけは恒星の中心部の元素の種類によって異なり、質量が太陽の10倍以上の星の場合は鉄元素がガンマ線を吸収して分解することで崩壊する「光分解型超新星」となる。
質量が太陽の8倍程度の星の場合は中心部に鉄元素は作られず、酸素・ネオン・マグネシウムの軽い元素で構成されていて、重力で潰れないように支えているのは電子の圧力だが、中心部の元素がその電子を吸収することで重力に耐え切れずに収縮して爆発を起こす「電子捕獲型超新星」となる。
これは40年ほど前に理論上で予測されていたが、今まで観測されたことが無かった。
2018年の三月に山形県の板垣公一さんがきりん座で発見した自身134個目の超新星2018zdがこのタイプであることがこのほど確認された。
この2018zdを詳細に観測し、さらに爆発前の天体をハッブル宇宙望遠鏡が偶然にも撮影していたこともあり、「爆発前の天体の特定」「周辺の物質」「組成」「爆発エネルギー」「光度変化」「元素合成」の6つの基準を満たすことが確認された。
「光度変化」に関しては板垣さんらが爆発直後から詳細に観測していたこともあって今回の成果につながった。

私たちの普段の生活には全く影響のないことだけど、ロマンを感じるな。

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