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一昨日の暴風で

北海道では25日から26日にかけて一部の地域で暴風雪となり、交通の便が各地で混乱した。
旭川の北にある名寄市の風連地区(旧風連町)の国道40号線では朝と午後に多重事故が発生し、その影響で1時間以上に渡って通行止めとなった。
昨日の新聞にこの通行止めで足止めされた人のインタビューが出ていて、その人は千葉県柏市の事務職員とのこと。
出張か何かで名寄に来ていたのかな?遠くからこんな時期に大変だな、と思って記事をよく読むとその方、御年75歳とのこと。
柏市では職員の定年を大幅に延長したのか、それとも高齢者採用を積極的に行っているのだろうか?
と、不思議に感じたが、もしかすると”柏市に住んでいる事務職員”という意味だったのだろうか?
だとすれば無きにしも非ずとは思うが、新聞記事の書き方としては落第じゃないか?

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これが”一流”新聞社の記事だって?

ホンダがこの秋に「シビック TYPE-R」を国内でも売り出すことを全国紙が報じている。
報じることに異論は無いが、問題はその内容。
以下にその内容の一部を引用するが、まずは
「2010年に販売を打ち切っていた主力車「シビック」が、5年ぶりに日本で復活する。」
の部分。
”主力車”と書いてあるが、2010年には販売の主力は「フィット」に移っていてシビックは300台限定で売り出した欧州仕様の「TYPE-R」が売り切れた程度でその他のグレードは鳴かず飛ばずでとても”主力車”とは呼べない状態(だから国内販売を打ち切った)。
”主力車”書くのであれば「1970年代のホンダを支えたかつての主力車」とでも書けば誤解を招かないと思う。
当時のホンダは軽自動車以外で売れていた車は他に無く、この「シビック」のヒットがあったから後に上級にあたる「アコード」の開発につながったとも言える。

また
「ドイツのテストコースで、前輪駆動の市販ハッチバック車として世界最速の周回記録を出したのが売りだ。」
いつからニュルブルクリンク北コースはテストコースになったんだ?
しかもこの書き方だとホンダ所有のコースと勘違いされてもおかしくない。
「ニュルブルクリンク(Nürburgring)」は貸し切られてテストコースとして使われることもあるが、日本にあるどのサーキットよりも長い歴史を持つレース用のサーキットで今でも24時間耐久レース(世界最大の草レースとも呼ばれる)等が行われている。
このような歴史あるコースを「テストコース」の一言で表してしまうなんてどんな神経をしているんだろう?
素直に「ニュルブルクリンク(北コース)」と書けないものだろうか?

さらに
「シビックは、1973年に低公害技術「CVCC」のエンジンを搭載して発売。」
とこれまた誤解を招くような書き方をしている。
これだと「シビック」は発売当初から「CVCC」エンジンを搭載していたかのように思えるが、初代が発売されたのは2ドアが1972年7月12日、3ドアと最上位グレードの”GL”は同年9月1日の発売でこの初代が発売された時は「CVCC」エンジンは搭載されていない。
少なくとも私の父が購入した初代の「シビック」には「CVCC」エンジンは搭載されていなかった。

「CVCC」エンジンを搭載した「シビック CVCC」はコンベショナルな1500ccエンジンを搭載した「シビック1500 4ドア」と同時に1973年12月13日に発売されていて、これは初代の発売より1年5カ月後のこと。
またこの2つのモデルはフロントグリルのデザインも若干変更された追加モデル扱いだ。
この程度のことはちょっと調べれば分かる筈で、記事を書いた人は調べていなかったか、調べたが意図的に先の引用のように書いたかのどちらだろう。
意図的だとすると読者の意識操作をしようとしているということで、さすが大手の○日新聞といったところか(苦笑)。

この記事は「榊原謙」という人の記名記事なんだけど、日本の大衆車の歴史を変えた名車とも言える「シビック」について、さらには自動車に関してもっと勉強して欲しい。
文章を書く事を生業としているなら、少なくとも知らない人が読んだら誤解するような書き方はしないで貰いたいものだ。

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