複葉のジェット機

複葉機というと第一次世界大戦当時の戦闘機が思い浮かぶ人もいれば、アニメ「紅の豚」に出て来たポルコのライバルの機体「カーチスR3C-0」を思い浮かべる人もいるだろう。
また、劇場版「サンダーバード6号(Thunderbird 6)」には国際救助隊の”新メカ”として「デ・ハビランド DH.82 タイガー・モス」が登場する。
これらを含め複葉機の殆どはプロペラ推進で動力もレシプロエンジンが殆どだ。
これは低速で離着陸するために大きな揚力を必要とする機体のためには主翼の面積が大きい方が良いためで、出力の大きいエンジンを積むようになってからは抗力の小さい単葉機が主流になった。
特に第二次世界大戦後は高速機にはジェットエンジンを搭載するのが当たり前になり、高速性能のためには抗力が小さいほうが有利なので主翼面積の小さい単葉機が殆どになった。
ところが、そんな中でもジェットエンジンを搭載した複葉機が存在していた。
ポーランドで開発された「PZL M-15」がその機体で、元々は旧ソビエト連邦が農業用の飛行機として運用していたAn-2の後継機を”燃料調達及び運用をジェット燃料に一本化するため”ジェットエンジン搭載にすることにしたことが発端だそう。
結果的に「世界で最も遅いジェット機」の称号を贈られることになったこの「M-15」だが、その最高速度は200Km/hと非常に遅く、巡航速度も175Km/hとどちらも軽飛行機よりも遥かに遅い。
何故これほど低速かというと、この機体が”農業用”の機体だからである(笑)。
作業内容は農薬等の散布なので高速性は必要なく、低速の方が農作業向きなので低速な機体が必要とされたわけ。
それならレシプロエンジン搭載のプロペラ機にすれば良かったと思うんだけど、なにせ開発の発端となったのが前述の燃料の調達及び運用の一本化なのでそういうわけにはいかなかったのだろう。
この辺りが社会主義国家の政府の頭の固さなんだろうなぁ(笑)。
この機体は失敗作と言われていて、当初250機を発注したソ連政府だが、オイルショックによる運用コストの増大(燃費も悪い)もあって生産途中で運用中止を決定し、最終的に175機が作られ155機がソ連に輸出され、残りの20機は完成はしたもののそのままスクラップにされたとのこと。
現存する機体もあるようで、ハンガリーには高速道路脇に展示されている機体があるようだ。
よくまぁこんな機体を作ったもんだなぁ、、、

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