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サメの体内物質がウィルスの増殖を阻害

サメの体内物質の中に人間にも感染するウィルスの増殖を妨げる作用があることが発見されたとか。
見つかった物質は「スクアラミン(squalamine)」と呼ばれる化合物で、既に癌や眼の疾患に対しての臨床試験が始まっていて、今のところ大きな副作用は確認されていないとのこと。
今回の発見はこのスクアラミンがウィルスのライフサイクルを妨げ、増殖を止める効果があるということだ。
スクアラミンは1993年に発見されていて、今までに血管の成長を妨げることが発見されている。
これはスクアラミンには癌細胞の増殖を阻止する効果が期待できるということらしい。
その後の人間を対象をする研究でウィルスの増殖を妨げる効果があることが確認されたとのことだ。

現在の抗ウィルス剤は一種類のウィルス株に対してしか効果が無く、しかもウィルスは突然変異しやすいので、すぐに耐性を持ったものに変異してしまい効果がなくなってしまう。
今回発見されたスクアラミンの働きはウィルス自体を攻撃して死滅させるものではなく、増殖に必要な環境を無くすという効果なので、複数のウィルスに対しての効果があることが確認されている。
人間の細胞を対象とした今回の研究では、血管細胞に潜むデング出血熱ウイルスや、肝臓細胞に侵入するB型およびD型肝炎ウイルスへの感染を防いだということだ。

実用化にはまだ時間はかかるだろうが今後の研究次第では人類に対する福音となり得る可能性のある薬が出来ることが期待できるかもしれない。

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