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FCV(燃料電池車)を普及させるというが

政府は今後燃料電池車(FCV)を普及させると言っている。
トヨタが今年度中に初の量産FCV「MIRAI」を約700万円で発売するとしていて、安倍首相が購入に当たって200万円程度の補助金を出すことを明言している。
つまり自己負担がおよそ500万円で済むことになり、さらに今後は量産化で価格の低下が進めば普及が進むかもしれない。
そこで問題になるが燃料となる水素の供給ということになる。
水素は地球上ではありふれた元素だが、単体では自然界に殆ど存在せず大半は水とか炭化水素(ガソリンもその一種)として存在する。
この水や炭化水素を分解して水素を得るわけだが、これには結構なエネルギー消費を伴う。
水を電気分解するには文字通り電気が必要で、そのための電力はFCVで消費される電力を上回るが、これは電力の一部を太陽光発電等で補うことが考えられている。

で、気になる水素の供給価格だが、小池百合子元環境相が某雑誌のインタビューで答えた中に
「水素に対しての税制をどうするのかは大事なポイントになります。」
という部分がある。
つまり国としては水素にも税金をかけることが前提と言うわけだ。
ガソリンには既に多額の税金が課されており、販売価格の半分以上が税金として国庫に納められている。
水素に関しても同様なことが起きるのでは無いだろうか?
FCVは走行中に水以外の排出物が無くクリーンな動力源である燃料電池を使うのがメリットだが、ユーザーとしては運用に掛かる経費(最も身近なところでは燃料費)が安くないと現在のガソリンや軽油を燃料とする車から乗り換えるメリットが感じられない。
現在のところFCVの走行距離当りの燃料費はガソリンの半分程度と試算されているらしいが、そこにガソリン並みの税金を掛けられてはたまったもんじゃないと思う。
政府は本気でFCV を普及させる気があるのだろうか?ちょっと疑問だな。

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ガソリンスタンドが減っている

ちょっと前の話になるが、2011年2月に消防法が改正されガソリンスタンド等の地下タンクに関する規制が強化された。
規制の内容は
・40年以上前に埋められた燃料用地下タンクの改修を義務づけ
・猶予期間は施行後2年間、2013年2月まで
というもの。
このためか全国各地でガソリンスタンドの廃業や休業が増えている。
すでに猶予期限は過ぎているが、現時点では設置から40年経過していないタンクも今後はいずれ改修が必要となる40年を経過するようになるので、一基当り100万円ほどもかかるという改修費用を負担できないスタンドは廃業に追い込まれることが考えられる。

全国のガソリンスタンドはピーク時の平成6年度末には60,421軒あったが、昨年度(平成25年度)末には34,706軒と4割以上も減少している。
特に一昨年度末と昨年度末は前年度からの減少数がそれぞれ1,394軒・1,643軒とそれ以前よりも増えていて、これは規制強化の影響と考えられる。
地域別に見ると大都市圏での減少が激しく、ピーク時と昨年度末を比較した場合、東京は2,894->1,275で56%減、名古屋を抱えかつては全国で一番多かった愛知県は3,146->1,618で48%減、大阪府は2,333->1,089で53%減と半減している。
私の住む北海道はピーク時の3,050軒から1,944軒へ36%減少しているが、現在は愛知県を上回り全国一となっている。
大都市圏に比べると減少率が低いが、これは土地が広く札幌市等の都市圏以外ではスタンドが分散しているのも原因の一つと考えられる。
それでも地方部では元々ガソリンスタンドが無かったり、あっても1~2軒程度で元々減る余地が少なかったにもかかわらずその中で廃業に追い込まれたスタンドもあるだろう。
そうなると地域によっては最寄のスタンドまで数10Kmも離れていたりするところもある。
実際何年か前に糠平源泉郷でお昼を食べていると、バイク2台でツーリングをしてきた人がお店の人にガソリンスタンドの場所を尋ねているのが聞こえてきたが、実はここにはガソリンスタンドは無く、上士幌の市街地まで行かなければならない。
さらに山奥の三股にいたっては市街地まで40Km以上もあるので、往復で80Km以上も走らないとガソリンを入れに行くことが出来ない。
実際には灯油等と一緒に定期的に配達に来てくれるらしいが、それでも急ぎの時などは大変だ。

実はこういうところこそ電気自動車(EV)がある程度有効なのではないだろうか。
人が住んでいるところには大抵電気は来ているので、充電施設さえ用意できれば燃料切れの心配は無くなる。
こういうときには電線さえあれば済む電気は物理的に物質(ガソリンや天然ガス等)を運ばなくて良いので有利。
充電施設は設置するのにガソリンスタンドやFCV用の水素スタンドに比べて遥かに少ない費用で設置でき、個人宅でも200Vの線の引き込みと充電専用のコンセントの設置だけなら十万円単位で工事が出来る。
急速充電器はまだまだ高価だけど、それでも一箇所建設するのに数億円も必要とされる水素スタンドに比べれば桁違いに安価だ。
現在のEVは航続距離が短いので長距離走行には向かないが、それも今後の技術改良である程度は克服できるものと思っている。
少なくとも地域内とか近距離の移動が多い場合はEVも選択肢の一つとして大いに検討すべきものだと思う。

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